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本格的なチョコは「ミルクチョコレート」しかない


明治「ミルクチョコレート」の共感位置は、嗜好品ゾーンの中心にあり、本格感や伝統、格調を表す。通常の商品は多かれ少なかれ、他のゾーンと組み合わせて特徴を出すのだが、明治「ミルクチョコレート」だけは本格、伝統に絞り込んでいる。シンメトリー型を守り、トーンは暗色にして本格的を表している。一方、ロゴを大きく元気にして開放感を保っている。


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明治ミルクチョコレートの共感力を採点
下図に示したさまざまなチョコを見て、「本格派」と感じるチョコを選んでみてほしい。表の点数は「本格派」の度合いを採点したものだが、直感だけで判断しても誰もが「ミルクチョコレート」を選ぶに違いない。現在市販されているさまざまなチョコレートを共感言語で採点したが、これに迫るものはない。
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「本格派」を磨き続けてくすませない
「ミルクチョコレート」は、最強の「共感力」を持つが、油断はできない。気がついたら時代の流れに取り残され懐かしいだけの商品になりかねないからだ。「本格派」の最強ブランドだからこそ、常に時代が求めているものをチェックし、輝かせ続けなければ、会社全体もくすんでしまう。共感環上で、どのポジションが消費者に受けているかをチェックすると、時代の風向きが見えてくる。

明治製菓がとっている「ミルクチョコレート」デザインに対する鮮度チェックは常識を超えていた。思わず「半端ではないです」(菓子商品企画部・本間昌平課長)ともらすほど膨大な費用をかけてデザインを洗い直していた。時代の風とのずれがないか絶えずチェックしている。つまり「共感力」を磨いているから、ブランド力も保ち続けているのだ。


嗜好品テイストは時代を超える
「本格派」の嗜好品には特殊な性格がある。それは、超保守的で時代の変化に対し、めったなことでは動かないことだ。

機能中心の機械製品や実用品と違って、私たちが嗜好品に求めるイメージは根が深く、好みなのはなかなか変わらない。心の奥深くにある安定を求め、変化しないで欲しいと願う気持ちと本格感が深く結びついている。本格感のある嗜好品ほど時代の風にストレートに反応せずゆっくり変わることが求められている。


80年以上守られ続ける味
明治製菓の看板商品である「ミルクチョコレート」は、ドイツから迎えたチョコレート製造技師・ロバート・キャスパリ氏の指導の下、26年に誕生した。それから現在に至るまでの80年以上、原料の配合はほぼ当時のまま。まさに、不朽のロングセラー商品だ。


友チョコのライトユーザーを取り込む
チョコレート市場は横ばいの状態が続いていたが、近年、カカオ成分の健康効果などが注目を浴び、売り上げが伸びている。そのようなチョコレート市場のシェアのトップをいくのが明治製菓だ。

スーパーのRDSデータ(05年9月から06年8月)を見ると板チョコの市場の1位、2位は「ミルクチョコレート」とロッテ「ガーナミルクチョコレート」だ。両者の売れ行きは、通常はほぼ拮抗しているが、冬場に差が出るという。それは、1月下旬から2月上旬にかけてのバレンタインシーズンに急増するライトユーザーを、いかに取り込めたかの差だ。

かつての「義理チョコ」から現在は、女友達同士でチョコレートを贈り合う「友チョコ」が中高生を中心に広がってきた。明治製菓は、女子中高生を中心としたチョコレートの最大顧客層の需要をしっかりと取り込むことに成功しているのだ。


リニューアルは、変えずに磨きをかける
70年代中頃から食が多様化し「甘いだけのお菓子では満足できない」という消費者の「甘さ離れ」が進む。チョコレートの主力製品も板チョコからスナック菓子へと変わっていく。この苦境を乗り切るべく、ターゲットを若者に絞った戦略を展開したが、状況をうまく変えることはできないまま試行錯誤が続くのだが、味を変えることはなかった。

低迷を続けていた市場だが、80年代に入りバレンタインブームで息を吹き返す。板チョコは、食べるだけでなくお菓子の材料に利用されるなどの広がりをみせる。

発売77年目の03年にリニューアルが行われる。ロングセラーとなっているスタンダードな味をどうするのか。プロジェクトのスタッフは究極の選択を迫られ、「味を変える」のではなく「味に磨きをかける」という答えを出す。「カカオ」「ミルク」「バニラ」3つの原料の見直しに始まり、400点から500点の試作品がつくられ、数百名の一般人による味覚テスト、嗜好調査が行われ、支持されるものができた。

明治製菓は、創業の精神である「買う気でつくれ明治」の言葉通り、消費者に対するきめ細かな対応で、顧客の満足と新しい価値を提供することで「共感力」を生み出し、超ロングセラーであり続けている。